ALPINA 新型B3試乗記その3
さてさて、車の説明をこれまでお届けしましたが、本題。
乗った感じ、どうなのよと。
あくまで、僕が今所有しているF30後期のD3ビターボとの比較でお伝えします。
余談かもしれませんが、オーディオやコーヒーについても同様なんですけど、趣味の世界の「感覚」って、絶対的なものではなく、あくまで相対的なものであると思ってるのです。あくまで、比較軸があって成立するというか。
閑話休題ですな。
運転席に乗り込んで走り始めると、すぐに気が付くことが2点あります。
一つは、剛性感。F30のアルピナもかなりの剛性感でしたが、完全にスポーツカーのそれになっています。
数値的な向上ももちろんあると思いますが、その要因は足回りのセッティングにあると感じます。
現行型は足回りがとてもスポーティになっています。いや、「スポーティ」は適切ではないです。本格スポーツカーそのものです。しかし、「レースカー」ではない。「グランドツーリング」でもない。
もともとアルピナの特長である路面追従性も高い足回りですが、今回はその奥行きがとっても深くなっています。以前では跳ねてしまったような段差も、しっとり受け止める。
減衰特性の向上があってなし得る「硬さ」です。
そしてもう一つが「音」です。
90年代スポーツカーを現役で知る世代の心をくすぐる音。もちろん下品なデロデロ音ではありません。
「ワテ、めっちゃパワーありまんねん。でも、こんなもん見せびらかすようなもんやおまへんねん」
という控えめなようで控えていない音。うーん、、、、実車で聴いてください。
この剛性と音で、心はトキメキがドギマギです。
走り出せば、有り余るパワーの一割で法定速度です。
アクセルを踏み込んだら、一瞬で200km/h。そのまま300km/hに簡単に到達するんじゃないかという「気持ち」になるエンジン。
気持ちいいのは高速道路のコーナー。たとえば大黒PAのスロープ。リア駆動っぽいのに、どこかフロントで引っ張る絶妙な安定性。
それなりに速度が出ている状況でも、安心感と安定感。お母さんのよう。いや、違うか。
ブレーキも良いです。姿勢が。
ブレーキというと、制動距離や制動時間にフォーカスされがちですが、大切なのは「姿勢」です。ブレーキを踏み込んだ時の安定感とコントロール性。
高度に両立されています。
全域にわたってスムーズでコンフォートな乗り心地。
あ、スポーツカーの脚なのに、乗り心地は抜群。いや、むしろ極上のスポーツカーの脚は心地よいのです。
柔らかいから乗り心地が良いわけではない。要はバランスです。
すべてのスペックを高度に成立させる、アルピナのバランス感覚には、常に感動を覚えます。
あの、こういうコンテンツ、みんな読んでます?